なろう系小説原作 転生シリーズの中では珍しくも、超越したパワー系能力に頼らない本作。
「ストーリーはどんなの?面白いの?絵の綺麗さ、画力はどう?他の転生ものとどんなところが違うの?」
皆さまの疑問や気になるところを解消できるように頑張ります。
目次
どんなストーリー?どんな設定?
「転生貴族」は、なろう系の中では珍しくも、チート級の能力がない転生系マンガとなっています。
能力が全くないわけではなく、主人公は「鑑定」という能力だけは有しており、他者のステータスを見ることができます。いかにもファンタジーの世界観っぽいですね!(これがチートかどうかの判断はいったん置いておきます…)
まずしょっぱなから特徴的で、「転生貴族」の転生前エピソードは一瞬で終わります。
これは某掲示板でもネタにされるほどのあっけなさです。ページ数にしてわずか3ページ!
少々雑なように感じられますが、逆にさっさと本編を味わえるので忙しい現代人に適したスタイルかもしれません。
転生前
現代日本、しがないサラリーマンとして生きる主人公(転生前)。
普通の家庭で育ち、普通の企業に就職、平凡な年収、彼女いない歴=年齢。
35年間、普通平凡極まりない、ありきたりな人生を送っていることを自覚しつつも、そのカルマから逃れらないでいます。
そんなある日、いつも通り出社しようとしたところで、急な胸の高鳴りが。
「苦しい…」
そのまま胸を押さえて玄関先で倒れ込んでしまうのでした…
主人公は意識を失い、世界は暗転してしまいます。
そして…
転生後
ふと誰かの声が聞こえ、主人公の意識が覚醒していきます。
目を覚ますと、目の前には自分を見下ろす妙齢の女性がいました。
身体は動かないが、意識ははっきりしているので思考を巡らせます。
『ここは病院だろうか…この女性は看護師さんかな?照明がランプとは、ずいぶん古い病院だ…』
ともあれ、一命をとりとめたようだと一安心します。
そこでふと、奇妙な生物が視界に飛び込んできました。
それはまるで犬のようでした。しかし、どうみても自前の翼でバッサバッサと羽ばたいているのです。
『なんだこの生き物は…!?これは夢!?すわ天国か!?』
聞こえてくる会話も日本語ではないことに今更気づく主人公。
そして、メイドのような女性がもつ銀のお盆に映る自分の姿が目に入りました。
『え、僕、赤ちゃんじゃん…!』
無事、異世界へと転生を遂げたのでした。
主人公は「サマフォース帝国」という見たことも聞いたこともない国の、「ランベルク」という小さな土地を統治している貴族の子息として誕生しました。
名を「アルス・ローベント」といいます。
三歳になって完ぺきに言語を習得し(賢すぎない?)、いくつかわかってきたことがありました。
どうやらこの国には魔法という不思議な現象を起こす術があるようです。
それはまるでゲームの世界のようであり、地球とはそもそもの文明が違うらしい。
そして、自分がいかに恵まれた環境に生を受けたかも悟りました。
屋敷は城なみに広くて綺麗、数多の使用人が身の世話をしてくれ、住み込みのシェフが美味しい料理を作ってくれる毎日…
「転生してよかった…」
心からそう思うアルスなのでした。
そしてもう一つ、アルスはわかったことがあります。
『僕には他の人にはない能力があるようなのだ』
その名も「鑑定」
他人に対して行使することで、その人のステータスを某歴史ゲームのような表記で垣間見ることができるのです。
「統率・武勇・知略・野心・政治」
そして、ジョブ適正である「歩兵・騎兵・弓兵・魔法兵・築城・兵器・水軍・空軍・計略」
つまり「鑑定」とは、これらのステータス値を見ることで、その人の適切な役割を判断できるという能力なのでした。
将来は「ランベルク」という領地を継ぐことになるアルスにとって、最適な能力を有していることになります。
アルスの願いは、このままみんなと幸せに暮らしていけたらいいな、というありふれたもの。
その願いを叶えるために、アルスはまず「サマフォース帝国」について勉強を始めました。
そして、三か月後、アルスは気づいてしまうのです。
自分の未来がまったく明るくないことに。
近い将来、アルスのいる世界である「サマフォース帝国」は乱世に突入する可能性が高いようです。
帝国の政権の腐敗、それによる各地で頻発する反乱。
国は荒れ放題で戦が各地で年中起こっている、というのが今の現状なのでした。
そして、国があれ続け、大きな戦が起きてしまったならば、アルスは当主として自領の兵を率いて戦に出なければならなくなります。
「僕が、戦…?」
見た目は子供、中身は平凡なサラリーマンにすぎないアルスはふと思いました。
『こんな僕が屋敷の使用人たちやランベルクの土地、そこに住む人々を守っていけるのだろうか…』
『みんな僕に親切にしてくれた人たちだ。何としても守りたい…!!どうすればいいんだ…!?』
そこで1つの考えがアルスの頭にひらめくのでした。
『この領地を守る方法…それは人材だ!!』
アルスには力がありません。それならばみんなに助けてもらえばいいんだ、と開き直るのでした。
こうして、優秀な家臣登用の日々、アルスの最強領地作りが始まるのでした―――。
ぶっちゃけ面白いの?画力は?他との違いは?
私は「転生貴族」、結構好きなんです。
虐げられていた子、恵まれない子がすごい力を秘めていて、立派な人材として認められ報われる、こういった「よかったなぁ」という画が好物なのでついつい読んでしまいます。
そうでなくとも、絵は綺麗で上手です。成り上がりストーリーのため、読んでいてある種の爽快感もあります。
特に2話からのリーツという少年を家臣に引き込むエピソードはとても人情にあふれていて、胸に来るものがありました。
とにかくアルス君が純朴で人情味あふれる人柄で、とても良いんです!(語彙力0)
多彩な表情を描くのもまた上手で、シリアスシーンなどかなり引き込まれます。
↓のコミックス第1巻の表紙から、画力の高さを汲み取ってほしいところです。
最初はほっこりするシーンが多く、胸温まること間違いないでしょう。
なろう特有の無茶苦茶展開でもないので、自然と楽しめることと思います。
オリジナリティに関して言えば、このような人材登用をメインとした領地成り上がりストーリーはまだ少ないように感じられますので、目新しい斬新であるといえるでしょう。
スーパー能力でバッサバッサと敵をなぎ倒す爽快痛快ストーリーもなろう転生系ならではであり面白いのですが、このような視点を変えた爽快ストーリーもまた面白いですよ。
気になる方はぜひ下の方のリンクから1話を読んでみてください。
転生貴族の個性的なキャラ紹介!
どのようなキャラクターが登場するのか気になる方のために、簡単にご紹介いたします!
画像を貼れないので、文字だけでどうぞ…
・アルス=ローベント
日本のサラリーマンから転生した、領地を治める貴族の息子。齢3歳にしてこの世界の言語を習得し、熱心に勉学を励んでいたため、使用人たちをビビらせた。時期領主としての心構えはできており、領地の人々のためを想って行動を起こせる人情を見せる。その行動力は人々を感化させ、心から慕う家臣が増えていきつつある。
「あの…僕の家臣になってくれませんか!?」
・リーツ=ミューセス
14歳でアルスと出会う。マルカ人という人種で、サマフォース帝国とは別の国からやってきた。幼少時より傭兵として戦闘の経験を積んできたためか、兵力としてはSランクの才能を誇る逸材である。人種的に虐げられる生活を送ってきたが、アルスの懇願によって家臣となった後は、その容姿の良さと知力の高さからファンクラブが結成されるほどの人気ぶりを見せた。
「アルス様への侮辱…万死に値する」
・シャーロット=レイス
孤児として城下町の路地裏で暮らしてきた少女。盗みを働いたせいで奴隷商人に売り飛ばされるも、アルスたちの計らいにより奴隷を脱することに成功。その過程でアルスの人柄に感化され見事に家臣となった。魔法適正がSランクで、その実力は国中に知れ渡るほどの腕前。アルスに対してはお姉ちゃんぶっており、フランクに話しかける。自信家。
「何ニヤニヤしてるんだ?キモいぞ」
・レイヴン=ローレント
ランベルクを治める領主。農民出身だが持ち前の武勇で地位を築いた逸材。武勇の数値はこの国で随一であり、最強とも言わしめるほど。民を率いる力に合わせて貫禄も備えており、家臣からは心から尊敬されている。
「戦乱の世でのお前を案じていたが…案外大物になりそうだな。大貴族…いや、皇帝にまで成り上がるかもしれん」
転生貴族はどこで読める?原作とマンガサイト紹介
原作は、有名小説寄稿サイト「小説家になろう」で連載中です。
【Web版】転生貴族、鑑定スキルで成り上がる~弱小領地を受け継いだので、優秀な人材を増やしていたら、最強領地になってた~ (syosetu.com)
マンガは「マガポケ」で連載中です。
原作小説と違って、マンガ版はアルスの言葉遣いが柔らかくなっています。
こっちのほうが年相応のような感じがして好みです。
マガポケでは第1話と2話が無料で読めるので、ぜひ読んでみてください!
コミックス第1巻も発売中です!↓↓↓
まとめ:転生貴族はほっこりして面白い!
チート能力無し、かどうかは定かではないですが、「転生貴族」では主人公に特別な戦闘能力はありません。なろう転生系にしては珍しい部類のマンガとなっています。
絵は上手で、表情がとても豊かで魅入るレベルです。
ストーリー序盤はほっこり爽快な展開が多く、胸温まること間違いないです。
原作を読んで満足した方でも、マンガから入る人もぜひ手に取って読んでほしい作品であります。
そしてアルス君の領地開発計画の行く末を一緒に見守りましょう!!
それではよきマンガライフを。